特にコミュニケーターは毎回登場するのではないか?TOSの時代は手のひら大のもので、今の携帯電話よりも大きいくらい。通信するためにはフリッパーになっているネット状のアンテナ(?)を起こす必要があるが、このアクションが意外とかっこいい。腰にマジックベルト(?)で取り付けたコミュニケーターをひょいと取り出し、手首でスナップを効かせてくるりとアンテナを起こしダイヤル状のスイッチ(通話チャンネルを選択するためのものか、それとも単なるボリュームか?)に手をやっておもむろに話し始めるのだ。
通信に雑音が入ったり、途絶するときはそのダイヤルをぐりぐり回しながら必死に呼びかけるのだが、それで通信が復旧するためしがない。TNG時代になるとコミュニケータは格段に性能がよくなり、小さなバッチ状のものになってクルーは胸につけることになる。しかもこれで恒星間通信すら可能のようだ。バッテリーもかなり強力で、数秒ではあるが個人用シールドを発生させるだけの容量がある。
バッジは各人の認識情報を発信しており、艦内の現在位置確認や上陸中の転送ロックオンもこれによって行える。このバッジも両面粘着テープ(?)で張り付いているだけなので、結構はがしてそこいらに付けるシーンが登場する。とくにこれで艦内の現在位置確認をしているのを逆手に取り、逃亡者がバッジだけをおいて逃げ、保安チームがそれにだまされるというシーンが結構多い。いつもこれを見ては不思議に思っているのだが、TNGの時代には個体認識技術(外見や人相から個体を認識する技術は、現代ですら研究室レベルであれば存在するし、センサーフュージョン技術によって人体から発射される赤外線や呼吸音、部屋や廊下の移動物体をカウントすることによって艦内の個体を精度よく識別することくらいできそうなものだが。)がないのだろうか。
フェイザーそのものの能力は別のコラムに譲るとして、携帯装備としてのフェイザーにもいくつかの不思議な点がある。TOSの頃のものは鉛玉を発射するタイプのものから順当に進化したらああなるだろうという感じがするのだが(ただし、露骨に武器に見えないようにカモフラージュされた、小型のタイプは別途存在する。ここでいっているのはグリップのついたいわゆる拳銃タイプのもの。)、TNGのものはまるでホースのような、武器としてはちょっと変わったグリップである。射撃がしやすいとはとても思えないのだが、TNG以降は皆これのようだ。
そういえば同じような妙な持ち方をするものとして、懐中電灯がある。よく洞窟や暗闇で上陸班が使っているものだが、どういうわけか手のひら全体で包み込むタイプで、手首を起こして周囲を照らす。これは長い間持っていると疲れるのではないか?
トリコーダーは不思議な装備で、周囲のエネルギーをかなり広範囲な種類、帯域で操作できるようである。もともとはトリ(3)コーダー(記録器)であるから映像、音、電波あたりを記録する装備であったと想像されるが、実際にはこれで何でもかんでも探知、記録できるとしか思えない。
私が覚えている唯一トリコーダーの具体的な機能としては、TOSの時代どこかの惑星で過去の時間への門が開いてしまい、カークがそれに巻き込まれたときにスポックがトリコーダーは全て記録している云々といってまるでビデオの高速度撮影のようなものを再生していたシーンである。このときはトリコーダーのCRTがビデオのディスプレイのように機能していた。(門が開いてから転送されるまでは非常に短時間なのだが、その短時間のうちにいろいろな時代へつながってしまう。従ってその正確な時代を決定するためにビデオのスローモーション再生が必要、という話の流れだった。)
TOSの時代はストラップのついたハンディタイプで、転送が終了次第上陸班がトリコーダーを覗き始めるのが定番だったが、TNGではもっとコンパクトになりフリッパータイプになった。これも先ほどのTOSのコミュニケーターと同じでなかなかかっこいいと思う。(ただ、TNGのトリコーダーの方はかなり分厚いのだが。)
意外にも装備としては上記の定番以外はあまり思いつかない。(ジョーディのバイザーは別格。)