船内における最も重要な設備は生命維持装置であることは間違いないが、これと並んで基本的な乗員保護システムが慣性制御装置(と人工重力発生装置)であろう。この用語自体が具体的に扱われているかどうかはよくわからないが、存在することは間違いない。(DS9では、ワームホールを早く抜けるためにこの装置を切るシーンが出てきている。)
重力自体は、短期間であれば訓練を受けてない人間でも無重力状態で問題ないが、船内の装備は全て重力があることを前提に設計されているし、ワープドライブはまだしも、インパルスドライブは駆動中船内にかなりの加速度がかかるはずである。また、コース変更や戦闘時の作戦行動・回避行動の時には同じようにあらゆる方向へのGがかかってくる。これの乗員への影響を緩和するシステムが慣性制御装置である。
昔のアニメには、無重力状態での戦闘で大破した船がまるで海に沈むかのように下方に墜落していくシーンがあったが、これは惑星重力圏内ならまだしも、通常ではあり得ないことである。(この件については、船の射界の話もあるのである。)
そういえば、「未知の世界」の中で、クリンゴン船が無防備の状態で至近距離から直撃弾を受けたときに人工重力が作動しなくなったが、これは大破に近いかなりのダメージを受けたと言うことであろう。