Ship's Structure

船の構造：ワープナセルと船体との関係（船体の設計について）

検討は以下の通り。

ワープフィールドセグメントから発生される力場は基本的には球状である。
フィールド重層度（密度）が高い方向への移動はエネルギー効率がよい。
上記に加えフィールド重層度は前方（主に進む方向）だけ高くすればよく、特に側方は低くて良い。その方がエンジン効率が高いため、必然的にナセルは前後に長くなる。
重層度の高い場所は生体には良くない影響があり、ナセル中央に居住区を置くのは避けたい。そのためにはナセルと居住区をはなす必要があるが、そうすると安定した航行のためにナセルを居住区から見て反対側にもう一つつける必要がある。（その方が、１台故障でも余剰度を確保できるというメリットもある。）その場合二つのナセルの出力を基本的にはバランスさせる必要があるが、３つを三次元的にバランスさせるよりは簡単である。
船体前方にはデフレクターをつける必要がある。そのためナセルより前方になんらかの船体が必要。
インパルスエンジンはナセルと同居させる必要がない。（居住区か機関区後部につければよい）
安全のために居住区と機関区を離して設計したい。すると、全体をコンパクトに設計するには居住区と機関区をオフセット（ずらして）配置することも考えられる。（ここが本論の一番の弱点か？）
上記のオフセット配置の際（居住区と機関区が別の場合）、インパルスエンジンは両区をつなぐ構造体の強度の関係から前方にある方の船体に装備した方がよい。逆に、オフセット配置であることからガス排気から後方の船体を守ることができる。この場合前方の船体は居住区の方がよい。
また、円盤部分離が可能な場合、こちらにインパルスエンジンを装備する方が自然である。ちなみに、デフレクターはこのオフセット配置の場合船全体の一番前（舳先？）につける必要が無くなり、機関区の先端で十分になる。

これらを勘案すると、居住区を中央に設置すると、その左右後方にワープナセルを配置することになり、それらから若干はずれた位置に機関区を設けるというエンタープライズ号の基本的な設計が説明できることになる。

ただ、上記でも触れたが、居住区と機関区を別にしてオフセット配置することや、円盤部分離のないタイプの船（NCC-1701など）では居住区を前にすることやインパルスエンジンをその居住区につける説明がやりにくくなる。

設定上ワープエンジンを分けた訳

NCC-1701がデザインされたときの舞台裏エピソードから、ワープエンジンの形状についてみてみよう。STAR TREK THE MAGAZINE FEBRUARY 2000 VOL.10に詳しい話が載っている。
まず最初に、船の速度から考えるとエンジンが非常に強力になることから、これを他の船体から離す必要があると考えたようだ。これにより船体周囲にリング上にエンジンが配置される案ができた。さらに、居住区から離すためにそのリングは後方に移動し、上下に２分割、ないしは三分割されるようになる。このリングの破片（？）が細長くなってナセルと第二船体に変化したようだ。
なお、余談ながら、居住区は初期の頃は内圧に強くするために球状で、そのころのスケッチにはまるでU.S.S.パスツールのようなものもあった。ただ、この球という形状はあまりにも「かさ」があるため、結局つぶされて円盤状になったのである。（この円盤、最初は「空飛ぶ円盤」のイメージを嫌って採用されていなかったのだが、皮肉なものである。）

(2000.6.16追加)

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