番外編のさらに番外

平成10年8月3日、スーパーチャンネルでTAS(まんが宇宙大作戦)開始。意外と出来がいいと思うのだが、残念ながら正史とは認められていない。(内容的にはTOSの流れを引き継ぐものであるが、基本的なルールであるクルー構成が違っていて三肢生命体アレックス等がいるので仕方ないのか?日本語のアテレコでは違う声優さんだが、英語版ではシャトナー以下本人が声優をやっている。)ただ、エンサイクロペディアにはNCC−1701の初代船長がロバート・エイプリルであると書かれているが、出典はこのTASらしく、どういう訳かこれだけ正史扱い。(エンサイクロペディアの他の箇所には、一切TASのことが触れられていないのだが。)

正史と認められないこの手のたぐいのストーリーは小説(テレビ放送や映画のノベライゼーションではなく、独自の小説。もちろん、アマチュアレベルでは非常に多いが、オフィシャル?の商業レベルのものでも)では山ほどあって、例えば最近ではWilliam ShatnerのThe Return(邦題 カーク艦長の帰還 早川書房)等がそうである。

見た感想であるが、いくつか見慣れないシーンもある。機関室の真ん中にでんと座った装置(ダイリチウム結晶?)や、V型エンジンのように配置された透明な筒の中を流れるエネルギーフラックス、訳語としての「電光魚雷、フェザー砲、プロテクターバリア(しかも、船体に張り付いている)」、チャーリーではなくスコット(もっともこれは、こちらが正解)などなど。そういえば、トリブルのエピソードでトリブルが見た目から?「ピンキー」と呼ばれていました。ピンクの毛玉なので。

ところで、日本ではこのTASをきちんと見ている人はそう多くないようだ。私自身もいくつかのエピソードを20年以上前(30年近く前?)に埼玉で見た記憶がぼんやりある程度で、国内で放映されていたことはあるようだが、TOSと違って頻繁に再放送されたことはないのではないか。

付け加えると、このアニメ以外にもSTワールドにはアメリカ本国ですら放映されなかったシリーズが存在するのだ。フェーズ2と呼ばれるそれは、TOS終了後に同じ登場人物で撮影された、いわばTOS第4シーズン以降になるはずのシリーズなのである。

さて、TASのSLAVER WEAPONにはスレイバーはでてくるしクジン(日本語ではクーガンと言っている)が出てくるのでなんだこれはと思っていたら、原作者がラリー・ニーヴンなのだ。しかし、自分が作った世界の設定をスタートレックに持ってきてしまうとは(^_^;)しかもカークは出てこない話だし。かなり強烈な設定だ。(話自体は、普通(?)ですが。)

ところで、私はTASK FORCE GAMESのSTAR FLEET BATTLESというボードゲーム(当初はパラマウントから版権を取っていなかったようですが、かなり後になって版権を取得したと聞きました。)を持っている。このゲームは艦対艦の戦術級ボードゲームなのですが、出てくる船は連邦の巡洋艦やクリンゴンの駆逐艦などの他にアンドロメダやオリオンパイレーツ、そしてクジンの戦艦が出てきます。なぜスタートレックの世界にクジン(ラリー・ニーヴンのノウンワールドに出てくる種族)が出てくるのか不思議だったのですが、やっと理由がわかりました。このTASのエピソードがその直接の理由なんですね。うーん、侮り難し、スタートレック。

これ以外にもTASにはかなり思い切った設定のエピソードが満載です。何となくゲテモノ食いのような気がしてきましたが、まだごらんになってない方はなにかの機会に是非ごらんになることをおすすめします。


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