もっとも謎に満ちた技術であり、将来実現する可能性がもっとも低そうな技術だと思う。転送ビームはタキオン粒子だという説があるが、確認したことはない。(小説版では見たことがあるが、テレビ放映でのエピソードや、オフィシャル本では見たことがない。)
とにかく、人間を一度バラバラにし、その人間の全ての情報(これをパターンと呼んでいる)プラス魂(!)をその転送ビームに変調させてのせ、目的地で再実体化させるのである。
普通は転送前後の体勢は同じで同じ格好のまま転送されるが、転送前の慣性モーメントは保持されず、転送後の場所における慣性モーメントに同調されている。(これは転送装置が補正を行うのであろう。そうでないと、宇宙船の上にいた人間が惑星上に移動したとたん船の周回軌道での速度で地表を猛スピードですっ飛んでいくという珍事が起きてしまう。それだけでなく、例えば体温の急上昇(位置ポテンシャルが変化するため)を招くことになるのだが実際にはそのようなシーンはない。)ところが唯一これに反するのは、バークレーが転送中に転送バッファ内に閉じこめられた人間を救出する場面である。彼は転送中に少なくとも上半身を大きく動かしているのである。果たして、転送中に人間は動けるのだろうか、意識はあるのだろうか?
それから、転送でいつも私が不思議に思っていたのは、転送時の操作のことである。TOSでもTNGでも、転送では操作者がスライダーを一方行に動かすことによって転送を行う。スイッチでパチン、ではない。これにどういう意味があるのだろうか?