無料でWindows上にマック環境を作る


というのは嘘で(笑)1万円くらいかける必要はありますがほとんど無料です。理由は以下に記載しています。

材料の調達

さて、ほとんど無料でWindows上にマック環境を作るためには、以下の材料が必要です。

<ハードウェア>

・PC(Windowsが動くマシン)
CPUが486以上、メモリ8メガ以上、ハードディスク容量20メガ以上となっていますので現在手に入るほとんどのマシンで問題ないでしょう。本当はMS-DOS上で動くらしいのでWindowsは必須ではないようですが、最近のパソコン事情ではそういわれてもねぇ…なお、WindowsMeはサポート外です。
・68Kマック
68Kマックというのは現在販売されていない古いマックです。CPUに68000,68030,68040を使用しているもので、中古市場で1万円くらいで手に入ります。完動品で、もちろんフロッピードライブも使える必要があります。モニタは、一体型のものでなければ込みで準備する必要があります。ないと画面が見えませんから(笑)。(手持ちのモニタが使えるかもしれませんが、接続のために余計なお金がかかる可能性があります。)
FUSIONはこのマックに内蔵されているROMルーチンを利用したエミュレータです。従って、このROMのイメージファイルがないと使うことができません。従って、合法的にこのイメージファイルを入手するためには古いマックを入手する必要があるというわけです。これに若干のお金がかかるわけですね。(それにしても、このROM吸い出し作業以外はすべてPC上でできるのに、この作業だけのために完動品が必要なのは面倒ですね。)
マックに内蔵されているROMが512Kの場合MacOS7.6.1までしかサポートされていないとのことですので1MBの方を入手した方がいいと思います。ターゲットの機種がどのROMかを調べるには、AppleのサイトApple Spec - Onlineに行って該当機種のページにいけばいいでしょう。例えば私が持っているColorClassicIIの場合Classic Macintosh->Mactintosh Color Classic IIと進んで下の方のSoftwareの欄のROM Sizeの項目を見ると1MBだということがわかります。ただし注意があって、機種によってはROMとFUSIONの相性が悪いのか、はたまたROMの出来が悪いのかうまく動かない場合があるそうです。それについてはFUSION-PCのインストールを参考にどうぞ。
また、実際の購入には各種オークションサイトを利用したり、中古を扱っているショップを利用するほか、中古マック価格情報-時系列リンク集からリンクをたどって探すのも良いでしょう。
・フロッピー

<ソフトウェア>

・FUSION-PC
Windowsで動く68Kマックのエミュレータ。現在はフリーウェアです。Emulators, Inc.ダイレクトリンク)からダウンロードします。
・漢字トーク7.5.3
マック用のOS。これも現在フリーウェアです。漢字Talk 7.5バージョン7.5.3からダウンロードします。ただし、バイナリで36MBとかなり容量があります。
・HFV/DSK Explorer
Windows上のファイルとマックエミュレータ用のハードディスクイメージの間のファイル変換をしてくれるソフト。フリーウェア。HFVExplorer homeミラーサイト))からどうぞ。
・Network Access Disk
マック用の起動ディスク(のようなもの)。(→参考)英語版ですが問題なく使えます。

準備

・マック内蔵ROMのファイル化
ダウンロードしたFUSIONを展開し、できたファイルの中からUtilsフォルダの中のRomutil.hqx(マックに持っていってStuffIt Expanderで展開すると専用のユーティリティになります。上記のEFVExplorerを使うと、勝手にアプリケーションになるみたいです。)を使って、上記68KマックのROMをイメージ化し、Windowsマシンに移しておく。拡張子は.romにする。
・Network Access Diskの作成
前述のNADをマック上でフロッピーにコピーしておく。
ちなみに、NADの作成はPC上でもできます。上記のダウンロードしたファイル(Network_Access_Disk_7_5_sea.bin)をStuffIt[tm] Expander for Windows(R)でしつこく展開していくと最終的にNetwork Access.imageというディスクイメージファイルになるので、これをFUSIONのUtilsフォルダにあるImager.exe(中身はGemulator Explorer)を使ってFile->Write Image File To Physical Diskでフロッピーに書き込めば起動ディスクになるというわけです。(当然フロッピーにもともと入っていたデータはすべて消えるので注意!)

作業

残りの作業はすべてWindowsマシン上で行います。
  1. ウィンドウズマシンを起動し、不必要なアプリケーションは終了する。
  2. ダウンロードしたFUSIONを展開し、できたファイルの中からSETUPフォルダの中味だけフロッピーにコピーする。
  3. MS-DOSプロンプトを起動する。
  4. >とプロンプトが表示されたらa:installとタイプしてリターンを押し(以下>a:installと略す)、FUSIONをインストールする。
  5. インストールが終わったら、Utilsのフォルダにあるutils.hdfをc:\fusionのフォルダにコピーしたあとutils.hfvに名前を変えておく。
  6. 再びMS-DOSプロンプトで>usとタイプして英語モードに変更し、>cd c:\fusion リターン >setupで設定プログラムを起動する。
  7. FUSIONの細かな設定をする。設定が終了したら、一度画面の一番左上をクリックしてsetupを終了し、>exitでウィンドウズに戻る。
  8. HFV/DSK Explorerを起動し、作成したハードディスクファイルの中へ漢字Talk7.5.3のファイルを入れる。
    ちょっと癖のあるユーティリティです。まず最初に上記の作成したハードディスクファイルの拡張子を.hfvに変更しておきます。それからHFV/DSK Explorerを起動し、先ほどのハードディスクファイルを探し出してDesktopまで開いておいたあとでcドライブから漢字Talkのファイルを引っ張っていけばOK。
  9. MS-DOSプロンプトを再度起動し、Network Access Diskをフロッピードライブに入れたあと>cd c:\fusion リターン >fusionでFUSIONを起動する。しばらく待っているとフロッピーからMacOSが起動する。
  10. システムの起動直後にハードディスクファイルを初期化するかどうか聞かれるのでそのまま初期化する。起動が完了すると、フロッピー以外に今初期化したハードディスクファイルと、コピーしておいたutilsのボリュームがデスクトップにマウントされているはず。
  11. 漢字Talk7.5.3の自己展開ファイルをutilsの中のStuffIt Expanderにドロップするとインストールボリュームがマウントされる。
  12. インストールボリュームを開き、上から2つ目のフォルダをあけると上にあるのがインストーラー。文字化けしているが、気にせずダブルクリックする。
  13. ダイアログボックスが開くので左下のボリュームアイコンをクリックして先ほど作成・初期化したインストールするボリュームに変更する。あとはデフォルトのボタン(太く縁取られた方のボタン)を押していけばインストールが始まる。(パソコンにもよりますが実機よりもかなり早く進む。)
  14. 終了したらフロッピーを抜いて漢字Talkを再起動する。(上の文字化けしているメニューバーの左側に並んでいるメニューのうち、一番右側のメニューを開き、下から2番目を選ぶ。)これで先ほどインストールしたハードディスクファイルから起動し、漢字Talk7.5.3が使えるようになります。
おめでとうございます。これであなたもマックユーザー(笑)。使うときはMS-DOSプロンプトから>cd c:\fusion リターン >fusionでOKです。

困ること

・FUSION上ではキー配置がマックと違うのでとまどいます。設定にもよりますが、私はコントロールキーがマックのコマンドキー、altキーがマックのオプションキーになっています。(本当はキー配置からいうと左altキーがマックのコマンドキーだと良いのですが、この設定ではどういうわけか左alt+スペースバーでInputMethodを切り替えようとするといきなりWindows画面に切り替わってしまうので使えません。)

・FUSIONではマウスの動きがぎこちないです。

・FUSIONではネットワークが使えないようです。(正確には使えなくはないがハードルが高い。)また、設定をいくつかいじってみましたが音も出ませんでした。なお、モデムについては試していません。


参考サイト
FUSIONはEmulators, Inc.に著作権があります。Emulators, Inc. owns copyright of FUSION.

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Basilisk II

てなわけで、同じくフリーのエミュレータ、Basilisk IIにも手を出しました。私の環境ではこちらのほうが相性がいいようで、使い勝手がいいです。

まず必要なソフト・データをそろえます。Basilisk II本体の入手はBasilisk II for Windows NT(英語)で。(NTとありますが、Meでも動きます。)ちなみに、オフィシャルサイトはThe Official Basilisk II Home Page(英語)です。

マックからROMを吸い出す手順は上記と同様ですが、いきなりBasilisk IIにするなら、emulators.comのftpサイトにあるROMUTIL.HQXを使うといいでしょう。ところで、私の所有するPerforma588,LC575,ColorClassicIIいずれもROMがいまいちのようで、ちょっとがっかりです。

それから、最近気がついたんですが、Network Access.imageってBasiliskIIGUIで直接ドライブとしてマウントできるんですね。これならフロッピーなしでインストール作業ができます。これをマウントしさえすれば何もない状態からでもとりあえずマックが起動できるので。あとは別のハードディスクイメージに漢字トークのセルフマウントイメージ(*.smiのやつ)をコピーしてそちらも同時にマウントしておいて、起動後にそれもマウントすればいいんですから。(ただし、*.smiはさすがにマウントできない。)

参考サイト