ColorClassic575、またの名をMYSTIC
コンパクト一体型で高性能の使いやすいマックだったColorClassicIIも、CPUが680LC30で画面が512x384、CD-ROMもなしと時代遅れとなりお蔵入り状態でした。しかも最近はハードディスクまで壊れてしまいどうしようもなかったので、とうとう改造に踏み切ることになりました。
改造計画は以下の通りです。
- ロジックボードをLC575のものと入れ替える(→CPUが680LC40になり、VGAにも対応できるようになる)
- ハードディスクも入れ替える
- モニタを640x480に改造する
まず材料ですが、本体のカラクラ2以外にLC575を中古で入手しました。(余談ですが、このLC575も完動品でしたので、それをそのまま使った方が画面も大きいしCD-ROMも使えるといいことずくめの気がしますが、私のカラクラ2は自分で買った最初のパソコン&マックで愛着がありますし、コンパクトなので改造してでもこちらを使いたかったのです。)それ以外に工具類として、
- マックオープナー(と入れ物に書いてあった。秋葉原で調達。星形のねじに対応した軸の長いドライバ。トルクスドライバのようなもの。カラクラ2をあけるのに使用します。)
- はんだごて、はんだ、はんだごて台(ジャンパ線のはんだ付け用)
- ラジオペンチ
- 大型のカッター(アナログボードのパターンカット用)
- アルミホイル(ロジックボード、アナログボードの静電気破壊防止用に敷く。)
- 非金属製のコア調整ドライバ(ディスプレイの調整用)
- デジカメ(記録用)
を準備しました。
改造は2001年1月20日に実施しました。実所要時間は3〜4時間くらいだと思います。
カラクラ2の分解
- 前準備として、カラクラ2のロジックボードをはずしておきます。はずしたロジックボードは内蔵電池を抜いた上でアルミホイルの上に置いて保管します。また、電源を抜いてから何日か放置しました。
まずカラクラ2を画面を下にして柔らかいものの上に置きます。そしてマックオープナーを使って4箇所のねじをはずします。
それから本体後部をまっすぐ上に引き上げます。前に置いたのが本体後部、横にあるのが取り外したロジックボードです。奥右側にはLC575も見えます。
次にアナログボードに接続されたコネクタをはずしていきます。背面から見て右手、ディスプレイに引っかけてあるグランドワイヤ。
同じく右横下にあるヨークケーブルは素直に抜けます。宙に浮いている細いマイクケーブルも抜きます。
左手前にあるデガウスケーブル。ロックを押しながら引き抜きます。私はペンチではさみながら持ち上げました。
ディスプレイ上部にあるアノードコネクタ。丸いゴム製キャップがついているので目立ちますね。ここははずしにくかった…写真ではわかりにくいかもしれませんが、金具がハの字になってディスプレイの穴に差し込まれています。はずすときに丸いゴム製のキャップをめくりあげて差し込みのところが見えるようにし、そこにラジオペンチをつっこんでハの字を絞りながら金具を抜きました。感電するといけないので、手では触らないように。
最後に、一番緊張するビデオボードです。弱いところなので衝撃がかからないように、傷を付けないように慎重にやる必要があります。大型のカッターで金属カバーとCRTとを固定しているゴムを切り裂き、除去します。両者が完全に離れているのを確認したら金属カバーをしっかりつかんで真後ろに引けばはずれるはずです。ちょっと堅いですが、斜めにしなければ大丈夫でしょう。ここで失敗すると、CRTが爆縮してガラス片が飛び散るおそれがあります。眼鏡をかけていない方は防護用のゴーグルなどをかけるといいと思います。
コネクタがすべてはずれたので、アナログボードを少し後ろにスライドさせ、左右の爪がはずれる場所にします。それからアナログボードをそっと持ち上げ、はずします。その際、下面にもう一本だけ、スピーカーの線が実は残っていますのでそれを切ってしまわないように注意。
スピーカーの線もはずします。これでアナログボードが完全にはずれました。さらに、アナログボード背面のシールドをはずします。私はここもペンチで左右のつめを1箇所ずつはずしロックを解除しました。
アナログボードの改造1・VGA化改造
VGA化するために、アナログボード上の改造を行います。写真はちょっとピンぼけしていますが、パターンカットは8番1箇所、ジャンパはそのカットした8番と12番の1箇所です。
アナログボードの改造2・モニタセンスライン改造
モニタに640x480が接続されているように見せかけるために、モニタセンスラインを改造します。具体的には、アナログボードのコネクタ部分の改造です。(改造後の写真をとり忘れました)
パターンカットは3箇所で、20番と外側のグランドの間、25番と外側のグランドの間、25番と26番の間です。ジャンパは2箇所で、20番と24番、18番と26番です。
復旧
逆の手順で組み上げます。ロジックボードも戻します。背面のカバーがあわなくなるため裸です。(秋葉原で改造後のカバーを売っていたのを見たことがあります。)本体背面は、実際はモニタを調整するためにまだ組みません。
モニタの調整
全部組あがったら、キーボードとマウスをつないだ後に、スイッチがOFFになっていることを確認した上で電源コードをつなぎます。
そしてスイッチをONにし、キーボードから起動します。とりあえず画面が表示されればOK。後は順番に写りを調整します。まず、上下左右が中心にくるように…
次に上下左右の幅を広げます。
後はお好みでフォーカスなどを。
すべて終わったら本体背面を取り付け、マックオープナーでねじを固定すれば終了です。
OSのインストール
最後の仕上げにOSをインストールしなければなりません。私は漢字トーク7.5.3を使うことにしました。これはアップルのサイトで無料で配布されているものです。
インストールのために以下の準備が必要です。
- 別の動いているマック(ホスト側と称す)+そのマック用のLANカード
- カラクラ575用のLANカード(実はLC575を購入したときにはじめからついていた。ラッキー)
- LANケーブル(両方のマックを直接つなぐのならクロスケーブル。ハブ経由ならストレートケーブル。
- 上記漢字トーク7.5.3の自己マウントイメージ
- Network Access Disk(→参考)
Ethernetの代わりにLocalTalkでもいいと思います。
マックをつなぎ、ホスト側のマックを起動します。漢字トーク7.5.3の自己マウントイメージをダブルクリックして、マウントされた仮想イメージファイルを共有しておきます。
次にカラクラ575をNADで起動します。アップルメニューからChooserを起動し、ネットワークを見ると先ほど共有した仮想イメージファイルがあるはずなのでそれをつなぎます。文字化けしていると思いますが、気にせずにフォルダを開き、下のフォルダ内のインストーラー(アイコンで判断できるはずです)を起動します。漢字トークのインストーラーですので、表示は気にせずデフォルトのままリターンキーをぽんぽん押していけばそのうちインストールが始まります。そのまましばらく放っておけばOK。かなり時間がかかりますが通常のOSインストールと変わりません。
すべて終了したら再起動すれば、新しいシステムで立ち上がるはずです。これで完成です。
改造関係参考サイト
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